山におすすめの無線機はこれ!アマチュア無線4級取得で、登山やバックカントリーをより安全に― ICOM IC-S10 & HM-168LWP ―

バックカントリー

1.バックカントリーで「無線」を持つ意味

スマホ全盛の今でも、山岳エリアでは電波が届かない「圏外スポット」がまだまだ残っています。そんな時に活躍するのがアマチュア無線機。IC-S10 と防水スピーカーマイク HM-168LWP の組み合わせなら、仲間同士の位置確認から雪崩・滑落など非常時の通報まで、ワンアクションで確実に声が届きます。今回は山に持っていくべき無線機のおすすめ機種を紹介!そしてスペックの比較から資格取得の流れまでを解説していきます。

登山歴が長いほど「結局、一番信頼できるのはシンプルな電波通信だ」と感じる瞬間があるはず。IC-S10 は144 / 430 MHz 5 W 出力・IP67 防塵防水・MIL-STD-810G 準拠のタフ設計で、厳冬の稜線でも安心して使えます。icom.co.jp


2.IC-S10 主要スペックまとめ

こちらは主要な人気機種との比較表になります。右側二つは人気のハンディ無線機ではありますが、山の連絡手段として厳しい環境で使うものとしてはアイコムのIC-S10の方が性能が高いと思います。

項目IC-S10FT-70D(八重洲)TH-D75(ケンウッド)
出力5 W / 2.5 W / 0.5 W5 W / 2 W / 0.5 W5 W / 2 W / 0.5 W
バッテリー容量BP-280 2280 mAhSBR-24Li 2000 mAhKNB-75LA 1820 mAh
連続運用※約11 h(144 MHz)/10 h(430 MHz)約8 h(144 MHz)/7 h(430 MHz)6 h(High)/8 h(Mid)
防塵防水IP67IP54IP54
質量(アンテナ・電池込)約274 g約260 g約300 g
価格帯(実勢)2.8 万円前後3.5 万円前後9 万円前後

※送信6 秒・受信6 秒・待受48 秒の繰り返し(各社公表値)

ポイントはバッテリーの持ち。IC-S10 は最大11 時間と、同クラス最長クラスです。


3.HM-168LWP スピーカーマイクで“ながら”運用

  • IP67 防塵防水、重量145 g、2ピンL型コネクター。ザックのショルダーハーネスに付けても邪魔にならず、粉雪や雨でもそのまま通話可。icom.co.jp
  • ケーブル長 49 cm(最短)、カールコードだから引っ掛かりリスク小。
  • グローブのままでも押しやすい大型PTTスイッチ。

山行中に本体を取り出す必要がなく、ハンズフリー感覚で会話できます。バックカントリーでは常にグローブをつけている状態のため、ボタンが大きく押しやすいこともとても重要になります。そして、対応している防水のスピーカーマイクはこれしかないです。他のスピーカーマイクだと防水機能が損なわれ山でハードに使えなくなってしまいますのでお気をつけてください。


4.IC-S10 を“推せる”5つの理由

  1. バッテリー長持ち
    大容量 BP-280(2280 mAh)を標準添付。低気温下でも粘り強く、日帰りバックカントリーなら追加バッテリー不要です。立山BCのときの小屋1泊の2日間でも電池は全く問題ありませんでした。
  2. 大音量 1500 mW スピーカー
    風が強くてもはっきり聞こえます。雪の中にいると音が吸収されてしまうため、大きくはっきり聞こえるスピーカーが必要になります。icom.co.jp
  3. IP67 & MIL 規格
    30 分水没テスト、粉塵 8 時間テスト合格。深雪での転倒も問題なし。icom.co.jp
  4. シンプル操作
    テンキーを省いた IC-S10 は誤操作が起きにくく、初めての無線でも扱いやすい。
  5. コスパ◎
    3 万円弱でこれだけのスペックは破格。

5.惜しいところ(でも大丈夫)

デメリットコスパパの意見
やや大きめ・重め(274 g)大きい=放熱性とバッテリー容量に余裕。冬季でも5 W送信を長く維持できる安心感の裏返し。ザック外側に装着すれば重量は気になりません。
アナログFM限定デジタルモード不要でも音質に問題ありません。電池消費が少ないというメリットでもあります。

6.アマチュア無線4級(通称“4アマ”)取得の流れ

デジタル簡易無線もありますが、やはりバックカントリーでは非常時の救助要請が行えるようにアマチュア無線を取っておく方が安全になります。谷地形でうまく電波が届かないという心配もあることを考えると一緒に行く仲間と相談してオフシーズンに資格を取得しておくといいと思います。

  1. 学習
    • 無線工学(4 h)+電波法規(6 h)の基礎を押さえる。市販テキスト or オンライン講座でも勉強できますが、一番よかったのはこちらのサイトをひたすら繰り返すことです。http://srz.a.la9.jp/hamtest/
  2. 試験の申し込み方法
    • (A) JARD 養成課程講習会(2日間で完結)
    • (B) CBT 会場での国家試験(随時)  コスパパおすすめ!
  3. 修了(または合格)証入手
    約2週間後に結果通知。
  4. 無線従事者免許証の申請
    総合通信局へ書類送付→1 か月でカード到着。
  5. 無線局開局申請
    電子申請 Lite で局免を取得し、コールサインが発給されたら運用開始!

勉強時間の目安は10〜15 時間。 申請手続き期間を考えて。バックカントリーシーズン前の9~10月に取っておけば、冬山デビューに十分間に合います。


7.3級と4級の違い ― “ハンディ運用なら4級で十分” なワケ

項目4級3級
最大送信出力20 W/30 MHz超帯
10 W/21–30 MHz・8 MHz以下
50 W(全バンド)
運用できる周波数30 MHz超のVHF/UHF/SHF帯中心(HFは21–30 MHzと8 MHz以下の一部のみ)HF(1.9〜28 MHz)の主要バンド+VHF/UHF/SHF
CW(モールス)×
試験問題数無線工学12問+法規12問無線工学14問+法規16問
CBT受験料5,100 円5,400 円

nichimu.or.jp

フィールドで使うハンディ機(IC-S10 など)は 最大5 W
3級の上限50 Wは車載機や据置機向けで、携帯機の実運用には無関係です。
山岳で重要なのは「携帯性」「防水性」「電池もち」です。 4級で必要十分 という結論になります。

8.まとめ

IC-S10 + HM-168LWP セットは、

  • 長時間バッテリーで1日中安心
  • IP67 & 大音量で悪天候に強い
  • シンプル操作でビギナーでも扱いやすい

という三拍子そろった“山専用”ハンディ。少し大柄でも、その分のタフネスとスタミナが命を守る保険になります。今シーズンのバックカントリー装備リストにぜひ加えてみてください!

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