キャンプ初心者がキャンプを始める際、何をそろえればいいのか考えることが多いですよね。特にテント選びはよくわからないことだらけ。テントの種類や素材の違いまで確認しないといけないことは様々でなにをどう考えたらいいのやらと思っている人も多いのではないでしょうか。通常ファミキャンならスノーピークのアメニティドームやコールマンのタフドームから入るのがよくあるパターン。
私はスノーピークのアメニティドームでキャンプを始め、今でもとてもいいテントだと感じているし、何年経っても使えなくなることもなく現役です。しかし、登山に使える2人用テントを購入したので、2人用テントを2張でキャンプしてみたら、楽さにびっくりしました。最近は一張ずつ料金がかかるキャンプサイトでなければ、このスタイルを使っています。
今回は思った以上にメリットの多い2人用テントスタイルと、初心者キャンパーさんのための気になるテント選びのポイントをご紹介します。
テントの種類
いろんな形のテントがありますが、まずはどこでも万能のドーム型、家族で広々居住空間のトンネル型、慣れれば楽々おしゃれワンポール型あたりで検討すると間違いはないかと思います。慣れてきたらお気に入りの1張を探していくとキャンプの楽しみが広がってきます。

ドーム型
交差するポールが四隅を支える構造で、非常に安定性が高く、風や雨に強いのが特徴です。内部空間は広く、天井が高いため、快適な居住スペースを提供します。設営も簡単で、初心者でも短時間で組み立てることができます。多用途に使えるため、キャンプ、ハイキング、バックパッキングなど様々なアウトドア活動に適しています。選べる種類も豊富で、安価なモデルから高機能な軽量モデルまであります。地面の凹凸や様々な環境にも対応させやすいモデルです。
トンネル型
長方形の形状を持ち、連続したポールで支える構造です。居住空間が広く、家族やグループでのキャンプに適しており、内部のレイアウトを自由に変更できるのが利点です。しかし、長さ方向の風には弱いため、設置場所を工夫する必要があります。設営には少し手間がかかりますが、広い空間を確保できるため、冬のおこもりキャンプや長期滞在にも向いています。
ワンポール型
中心に一本のポールを立てるだけのシンプルな構造が特徴です。設営が簡単で、軽量なため持ち運びがしやすいです。しかし、慣れないとうまく張れずに生地がよれて強度も担保できませんので、練習は必要です。また、ポールが中央にあるためテント内部の動線に注意が必要ですが、風に対する強度は高く、安定しています。比較的安価なものも出回っておりコストパフォーマンスも良いです。
その他の種類
- キャビンテント
- エアテント(インフレータブルテント)
- ビビィサック
- ティーピーテント
- ヘクサテント(ハーフドームテント)
テントの素材
テントにはさまざまな素材が使われています。自分のキャンプスタイルに合わせてテントを選ぶのが一つの醍醐味みたいなものですが、初心者のうちはどれがどんなものかがわかりません。なんども購入するものではないので、あまり安さだけで選ぶのもおすすめはしません。
ポリエステルやナイロンは一般的なテントで多く使用されています。近くで焚火をやりたいなら火に強いコットンやポリコットンがおすすめ。コンパクトに道具をそろえたい、車の積載量に限りがある、もしくは登山でも併用できるテントを選ぶならコーティングナイロン素材がおすすめ。
それぞれメーカーによって生地の厚さや防水性が異なります。防水機能の目安もしっかり確認しましょう。
素材 | 軽量性 | 防水性¹ | 通気性 | 速乾性 | 耐久・引き裂き強度 | コストパフォーマンス |
---|---|---|---|---|---|---|
ポリエステル | ○ | ○ | × | ◎ | ○ | ◎ |
ナイロン | ◎ | △ | × | ○ | ◎ | △ |
コットン | × | △ | ◎ | × | ○ | △ |
ポリコットン | △ | △ | ○ | △ | ○ | ○ |
シルナイロン | ◎ | ◎ | × | ◎ | ◎ | × |
PUナイロン | ○ | ◎ | × | △ | ○ | ○ |
◎ = 非常に優れる ○ = 優れる △ = 平均的 × = 弱い/向かない
ポリエステル
耐候性が高く、紫外線や湿気に強い。軽量で速乾性があり、耐久性も高い。コストパフォーマンスが良く、多くのテントで使用される。
ナイロン
高強度で引き裂きに強く、非常に軽量。吸水性があるが、シリコンコーティングやポリウレタンコーティングで防水性を高められる。ポリエステルよりもやや高価。
コットン
通気性が高く、快適な内部環境を提供。湿度を調節し、結露を防ぐ。自然素材であり、夏は涼しく冬は暖かい。耐火性も高く、火の粉がとんだときに燃えて穴が空きにくい。ただし、重く乾きにくい。
ポリコットン(コットンポリエステル混紡)
コットンの通気性と快適性、ポリエステルの耐候性と軽量性を兼ね備えた素材。コットンよりも速乾性があり、耐久性も高い。
シリコンコーティングナイロン(シルナイロン)
ナイロン素材にシリコンコーティングを施したもので、防水性と引き裂き強度が非常に高い。軽量で、パッキングサイズが小さくなる。
ポリウレタンコーティングナイロン(PUナイロン)
ナイロン素材にポリウレタンコーティングを施し、防水性と耐久性を高めたもの。シルナイロンよりはやや重いが、コストパフォーマンスが良い。
防水性の目安
- 2,000mm~3,000mm:強い雨や連続した雨天に対応。
- しっかりとした防水性能があり、長時間の雨天でも快適に過ごせます。一般的なアウトドア活動に最適です。
山岳テントの特徴
山岳テントは「強度・保温・軽量性」をバランスさせた高性能シェルターです。強風と降雪に耐えるポールワーク、結露管理を意識した換気系、スカートと高耐水圧生地が備わっています。デメリットとしては、価格・快適性・メンテナンスで妥協が必要です。室内が狭くなりがちで、結露が起きやすいため、濡れて困るものは防水対策が必要です。
コスパパのおすすめテント
Naturehike CloudUp2
私のおすすめはネイチャーハイクの2人用軽量テント「CloudUp2」です。4人家族であれば4~5人用のテントを購入するというのとてもよい選択ですが、設営のしやすさ、雨天使用後の乾かしやすさ、収納時のサイズを考えると2人用を2張準備するのも、かなり使い勝手がよい方法だと思います。冬以外の3シーズンでは案外テントの中は寝るだけという方も多いかと思いますし、テント内の居住性って寝るのに困らない程度で問題ありません。初めてのテント泊で、設営に時間をかけた割にもう撤収って感覚に結構なるものです。
私は登山にも持っていけるように2人用を購入していますが、2人もしくは3人でのキャンプならCloudUp3という3人用もあります。一人で行う場合も、子どもとテント泊登山をする場合もこれで対応できます。

https://naturehike.co.jp/products/nh17t001-t?sku=18055354199313258940212736
こちらのCloudUp2は色によって若干の性能の差があります。3シーズンを考えているならグレー/ライトグリーン/松葉色/ネイビーの4色がおすすめです。キャンプギアに中華製のものは数多く出回っていますが、こちらのメーカーは無名の怪しい中華メーカーではなく、性能や商品の質もかなり評価されていて、安心感があります。日本の有名ブランドと比較すると値段もだいぶ抑えられるので、かなりおすすめできます。私も実際にこのテントを使っており、コストパフォーマンスを含めてかなり満足しています。
- ダブルウォールなので結露への対策も容易
- 軽量1133g シルナイロンの軽くて丈夫な生地
- 小さいので車の積載時に幅を取らない
- 大型テントより設営撤収が容易で、小学生でも慣れれば張れる
ファミリーキャンプでも山岳テントを使ってみて

サイズの考え方に変化
テントを選ぶ際は、使用する人数を基に選ぶことが基本です。一般的に、人数 + 1のスペースを確保すると快適に過ごせると言われています。例えば、ソロキャンプなら2人用テントを選ぶと、荷物も楽に収納できます。
しかし、こどもとのキャンプであれば、2人用テントで2人用でも荷物のスペースが生まれるのでそこまで困りません。4人家族であれば、4人用テントもしくは、2人用テント2張という選択肢が増えます。
サイズは小さいほど設営しやすい
4人用テントを張る場合、生地が大きいものになります。初心者のうちはどこが入口かわからず設営に時間がかかる原因になります。2人用のテントは生地が小さい分、扱いやすくなり設営に時間がかからなくなります。
2人用テントなら高さがあまりないので、小学生でも張ることができます。うちの子供たちは練習をして小学3年、1年の兄弟でほとんどの行程ができるようになりました。親がやったのはフライシートの張り具合を微調整しただけです。
撤収後のお手入れが楽になる
テントは、撤収後にしっかり乾かさないとカビの原因になります。晴れていてもキャンプ後は朝露で生地が濡れた状態になります。通常は朝起きてから、水を弾いてからひっくり返すなどして数十分で乾きます。しかし、雨が降っている場合はキャンプ場で乾かすことができずに持ち帰ることになります。
自宅で乾かすための広い場所がある家庭は大きいものでもよいですが、乾かす場所がない家庭は小さいものを選択しておいた方が楽にお手入れすることができます。ドーム型の2人用のフライシートは布団のシーツくらいの大きさなので、自宅でも乾かしやすいです。6畳の部屋で組み立てて乾かすという方法も取れます。
購入する前にお試しレンタルもあり
テントの金額は安いものでもそれなりです。どれを買ったらよいか迷っている方、どうしても失敗したくない方はまずはレンタルという選択肢もありだと思います。テントは長く使うものなので、お気に入りのギアを選ぶためにいろいろと使ってみると一番わかります。
こちらのサイトでレンタルすれば、大きいものも小さいものも実際に使ってみてから購入を検討できますよ。

まとめ
ファミキャン定番の大型ドーム(アメニティドーム/タフドーム)も優秀ですが、 2人用テント×2張 という発想で設営・撤収・積載のストレスが激減します。
とくに初めては「設営に戸惑って疲れ果てる→撤収に追われる」パターンが多いため、小型テントで工程を簡略化するとキャンプ自体を楽しむ余裕が生まれてきます。
悪天候時の快適性と手軽さを考えると、山岳テントも選択肢になってきます。家族構成やシーズンに合わせてテントの数を変更できるようになります。迷ったらまずは 軽量2人用テント を1張導入し、自宅内でも設営・撤収・収納を体感してみるのもおすすめです。
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