池の平バックカントリー 湯の丸から行く初心者向け厳冬期のお手軽オープンバーン

バックカントリー

入山日は2025年2月11日

湯の丸スキー場からリフト一本でゲレンデトップに上がってからスタートします。一本でリフトトップに上がれるので一回券500円しかかかりません。斜度もそこまで急なところがないので、雪崩のリスクも低く初心者でも楽しむことができるルートです。南斜面のためバーンコンディションは天候に大きく左右され、モナカ雪だったりアイスバーンの日が多いですが、まとまって雪が降ったあとは楽しめます。

近いうちにBCの様子を動画にする予定です。

事前情報

バックカントリーでは事前情報を集めることが最大のリスク管理です。雪崩情報や天候は必ずチェックしてから入山します。私は日本雪崩ネットワークとパウダーサーチで雪崩リスクを確認し、ヤマテンで天候を確認しています。

雪崩情報

日本雪崩ネットワークでは、大きくエリアわけをして雪崩リスクについて情報を載せてくれています。雪崩リスクについての情報がわかりやすく、大雑把に当日危ないエリアを把握することができます。実際には地域によって直近の降雪がどの程度だったか、斜度や雪崩発生の可能性が高いポイントがどんな地形かによって、雪山でのリスクは違います。いろんな情報を集めながら計画を進めていく必要があります。

パウダーサーチではポイント別に積雪量の確認ができます。48時間以内の降雪が多い時は雪崩リスクが高くなります。危険な目に合わないように計画を立てるために見ておく必要があります。

ここのエリアは日本雪崩ネットワークで確認できないエリアです。主にパウダーサーチをもとに確認していきます。ちなみに当日は群馬方面にしっかりと雪が降り、雪崩リスクが高くなっています。できるだけ、48時間の降雪が少ないエリアを探し、この辺りを選んでいます。ここは積雪量がほどほどでルートの斜度からみても雪崩リスクは少なく行けそうな状況でした。

Screenshot
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天候

ヤマテンでは天気予報の確認します。通常の天気予報は市街地向けのものが多く、ヤマテンはより具体的に山の天気を確認することができます。風も大事な判断基準です。風が強いと山では急に危険度が増します。また、風向きによっては雪が吹き溜まって危険になったり、逆に風で降雪が吹き飛んでバーン状況が悪くなっていたりします。

この日は全体的にどこも悪天候で特に白馬、妙高、群馬方面はどこも雪崩リスクがありました。直近の積雪も多いことを考えると断念せざるを得ない状況でした。ここも風は強そうですが、風向きは北西となっているので、南斜面を滑る池ノ平は比較的安全に行けそうでした。

ルート

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湯の丸スキー場の第6駐車場に止めて、高速カプセルリフト一本で標高1950mのリフトトップに登ります。連絡コースを少し降りたところからグリーンシーズンは池の平駐車場に向かう道路を30分ほど登り、トラバースしながら池の平湿原の北側に向かい、オープンバーンが広がる南斜面を落として帰ってくるルートです。距離としては短く傾斜も少ないので体力が続く限り、登り返して滑ってくることができます。しかし、南斜面は日照時間が長くバーンが溶けやすいので、モナカ雪になったりアイスバーンになったりとコンディションが整わない日も多いです。厳冬期の雪が多い時期に狙ってくることをおすすめします。

湯の丸リフトトップから池の平駐車場

連絡コースを少し下ると、登っていける道があります。そこからハイクアップ開始。夏は道路だった場所なので、道も狭くないし傾斜も緩やかです。安定して登っていける気持ちのいいハイクアップが20~30分続きます。写真は右側が連絡コース、左側がこれから登るルートになります。

今回表示している地図では駐車場より手前からショートカットをするルートとなっています。道路ではなく、傾斜も多少きつくなりますがブッシュを上手に抜けると時間短縮にはなります。この日は雪が深く、一緒に行ったボーダーはスノーシューだったので、浮力が足りずにももラッセルをすることになり、むしろ時間がかかる結果になりました。スキーもしくはスプリットボードの方はショートカットがおすすめです。スノーシューの方は雪の状況にもよりますが、駐車場から登るルートを取った方が疲れも少なく早くなります。

池の平駐車場から雷ノ丘、雲上ノ丘

駐車場の近くにはあずまやがあります。建物が見えてくるので安心感がありますね。雷ノ丘へは登山者も歩きますので、スノーシューでも歩きやすい程度に硬くなってくれています。10~15分ほどで雷ノ丘に出ます。

そこからトラバース気味に雲上ノ丘を目指します。登山者のトレースはないので、バックカントリーに来ている人がいれば多少歩きやすくなっているかもしれません。雪が深いとスノーシューは少し苦労するのでもっとも傾斜のある雲上ノ丘を目指すなら時間に余裕をもって選択します。一回目は頑張って登り、登り返しの二回目は手前から落とすのでもいいかもしれません。

この日はお昼近くに晴れてきて、気温は低い状態が続いていました。トラバース中に強い風で巻き上げられた雪の結晶に太陽の光が当たりダイヤモンドダストが見れました。写真ではほとんど写っていませんが。

池の平湿原に向けて広がるオープンバーン

このあとは座禅山に向けて急登が続きます。30~40°の斜度だとシールが滑ってしまうことが増えてとても大変になります。細い登山道であり周囲は木や谷地形になっていることで、迂回がしにくいです。クランポンがあるとまっすぐ登山道通りに登れるので、楽になるかと思います。私はクランポンをもっていなかったのでここでかなり苦労しながら登っています。ここだけで2時間ほどかけてしまいました。

池の平バックカントリーのまとめ

おすすめポイント

  • 緩やかで初めてのバックカントリーを快適に体験できる
  • 首都圏からも近く、登りも手軽なのに滑り応えのあるオープンバーン
  • 厳冬期の雪崩リスクが上がる時期にも比較的行きやすい
  • リフト1本で行けるのでゲレンデスタートなのに500円と格安

デメリット

  • 厳冬期以外はモナカ雪やアイスバーンの日が多い
  • 斜面が緩やかな場所が多いので広さのわりに滑れるバーンが限られる
  • 浮力が少ないスノーシューだとショートカットができない

500円と格安バックカントリーですし、初心者が行くにはちょうどいい距離感です。登り返しはコンディションや体力次第で選択できるので、トラブルにも柔軟に対応しやすいですね。ここでじっくりとバックカントリーの道具の使い方やスキルを磨いていきたいです。

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