初心者のうちはそんなに滑らなくてもいいと思うかもしれませんが、実は速度は出る方が安定します。平らなゲレンデで必要な速度が出るのはしっかりとメンテナンスされている板なので、うまい人だけに必要なメンテナンスではないんです。子どもは体重が軽いのでなおさら滑る板が必要になります。早く上達してもらうには、軽い子どもの体重でもスムーズに滑る板が用意できるといいですね。スプレータイプの簡易ワックスではなく、しっかりとホットワックスを行うことでゲレンデライフをより楽しいものにしたいですね。
ワックスをかける理由
スノーボードのワックスかけは、スノーボードの滑走性を向上させるために行います。ワックスを塗ることで、板の底面が滑りやすくなり、滑走時の摩擦が減ります。また、ワックスを塗ることで、板の底面が保護され、傷や汚れから守られます。
コスパパが気合いを入れてワックスをかける理由は、最近特にパウダーを狙って滑ることが多くなってきているので、速度が安定してでてほしいというのが一番です。またバックカントリーでもスノーボーダーはスケーティングできないため、行きたい場所に移動するのに板を脱がずに移動するにはとにかく滑る板が必要です。毎回脱いで登るのでは体力の消耗が増えてしまいます。
またシーズンインだけではなく、シーズンアウト後の保管時にもホットワックス(ベースワックス)を厚塗りしておくとソール面の酸化を防ぐことができ、来シーズンまでよい状態でキープすることができます。
毎回プロショップにメンテナンスに出すのはコストがかかる上、シーズン途中にメンテナンスに出すと滑りにいけない期間ができてしまう点がすごく残念ですよね。大変な作業ですが、滑りの違いでスノーボードの楽しさが大きく変わってくるので、是非自分でメンテナンスしてみてはいかがでしょうか。
必要な道具
- ホットワックス
- アイロン
- ワックススクレーパー
- ナイロンブラシ
- ワックス台
- エッジシャープナー
ホットワックス
固形のワックスになっており、これを温めて溶かすことで板に塗ることができます。必要に応じて様々な種類のワックスが存在しており、どれを買えばいいか迷ってしまう原因となります。それぞれの用途は下記になります。
【ベースワックス】滑走ワックスの前に板に塗ることで、滑走ワックスが板になじみやすく定着させる働きがあります。
【滑走ワックス】滑走性を高めることを主眼としており、ベース枠すとの一番大きな違いは添加剤が加えられていることです。添加剤のフッ素は、絶大な撥水効果で水分摩擦を低減させ、特に湿雪のときに効果を発揮します。フッ素の含有量で値段が大きく異なります。高フッ素のものはびっくりするくらい値段が上がりますが、明らかな滑走性能の変化も感じられます。
【クリーニングワックス】滑走面に付着した汚れや古いワックスを取り除くために使用するワックスです。通常のワックスより融点が低く、柔らかいのですぐに溶けてよく伸びます。滑走面をきれいにしてから、ワックスを塗ることで、滑走性が向上します。
アイロン
アイロンは、板の底面に塗る際にワックスを溶かすために使用します。メーカーにより推奨温度が決まっているので、温度調整機能付きが使いやすいです。
ワックススクレーパー
板の底面から余分なワックスを削り取るために使用します。最近ではカーボンスクレーパーという削ったワックスが表面に付着しにくい素材のもののでてきています。
ブラシ
板の底面を磨くために使用します。四角いブラシを手で使用するタイプが一般的ですが、筒状のブラシを電動ドライバーに取り付けて使用するものもあります。ホットワックスはかなり腕を使う作業になるので、電動を用意すると大変なワックスかけをシーズン中何度も繰り返しても平気になります。
ブラシにも種類が多く存在しており、丁寧に行うのであれば順番にいくつものブラシを使用します。
【ブロンズブラシ】金属製で掻き出す力が強いですが、削りすぎる欠点があります。ホットワックス前のブラッシングで使用されます。
【ボアブラシ】スクレ―ピング後の最初のブラッシングに使われます。猪の毛で作られた細くて硬いブラシです。ストラクチャー内部のワックスを掻き出すのに最適とされています。
【ナイロンブラシ】スクレ―ピング後2番目に使うブラシで、ボアブラシでストラクチャー内部のワックスを一通り掻き出した後に使い、ボアブラシで取りきれなかったワックスを掻き出しつつも、表面を磨いて仕上げていく効果があります。白と青の2種類があり、ボアブラシを使用しない簡易的な方法を選択する場合は白いナイロンブラシを使用します。青はそれより柔らかいので馬毛の代用というイメージで使用します。
【馬毛ブラシ】柔らかい毛のブラシで、表面を綺麗に仕上げるために使用されます。
ワックス台
ワックスをかける際に板を置く台です。どんな台でも問題はないですが、理想は腰上程度の高さに板が乗る高さが使用しやすいです。専用のワックス台だとエッジチューナーを使用する際に縦置きで固定できる機能やアイロンホルダーがついているものもあります。
エッジシャープナー
板のエッジを研ぐために使用します。滑走時のグリップ力が向上し、より安定した滑走が可能になります。一般家庭では手動式のものを使うようになると思いますが、安定したワックス台で縦置きができる機能があるものだとやりやすいです。ここは一番繊細な作業になるのでプロショップに出す方も多いかと思います。
コスパパのおすすめは400番前後の砥石を使う方法です。本格的なエッジチューンはできませんが、滑る直前に濡らした砥石で雑にこするだけでもかなりグリップ力が回復します。もしくは耐水性の紙やすりでも案外いけます。エッジシャープナーと違いそこまで削れてしまわないところが安心です。
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