入山日は2025年1月25日
丸沼高原スキー場のゴンドラでゲレンデトップの標高2000mに上がってからスタートします。グリーンシーズンにも人気のある日光白根山であり、ウインターシーズンはぐんまパウダー5に入っているため、1000円以内で楽しむことができるルートです。バックカントリーではあまり知名度がないかもしれませんが、格安で行けるのであれば確認しない手はないと思い行ってきました。どんな山かわかりやすいように動画にもしていますので、こちらの山に興味のある方はご覧ください。
事前情報
バックカントリーでは事前情報を集めることが最大のリスク管理です。雪崩情報や天候は必ずチェックしてから入山します。私のおすすめは日本雪崩ネットワークとヤマテンです。
雪崩情報
日本雪崩ネットワークでは、大きくエリアわけをして雪崩リスクについて情報を載せてくれています。雪崩リスクについての情報がわかりやすく、大雑把に当日危ないエリアを把握することができます。実際には地域によって直近の降雪がどの程度だったか、斜度や雪崩発生の可能性が高いポイントがどんな地形かによって、雪山でのリスクは違います。いろんな情報を集めながら計画を進めていく必要があります。最近はパウダーサーチというサイトで積雪量の確認しながらバックカントリーの計画を行うようにしています。


天候
ヤマテンの日光白根山の天気予報です。スクリーンショットし忘れで、12時からの情報しかありませんが、基本的に晴れの状態が続く予報でした。気温は標高が高いこともあり、まあまあ低め。風は午後になるにつれて少し強まるようでした。

コース

丸沼高原スキー場の日光白根山ロープウェイにのり標高2000mの山頂駅から登りはじめます。七色平避難小屋で北上して座禅山方面に向かいます。そこに広がる弥蛇ヶ池付近のオープンバーンを滑ってかえってくるルートです。その先にも五色沼周辺を滑るルートがありますが、今回は無理せずに弥蛇ヶ池までで折り返しました。基本的にグリーンシーズンの登山道と同じような道を進みます。
ゴンドラ山頂駅~血ノ池地獄分岐

入口から白根山がきれいに見えます。今回のルートはこの写真でいうと左の裾野あたりに向かっていくことになります。なだらかな道から始まり、シールで歩くとところどころ滑り降りるように進むことができ、とても楽に距離を稼ぐことができます。逆にスノーシューだと滑ることができないのでこの辺りはシールの人に遅れをとり少し時間がかかるかもしれません。ちなみに、後半は圧倒的にスノーシューの方が登りやすい場面もあります。

地ノ池地獄分岐~七色平避難小屋

概ねなだらか場所をひたすらに進んでいきます。七色平避難小屋には1時間かからないくらいで到着です。他の登山客たちのトレースもあり、登山道としての看板もあるので迷うことは少ないと思います。

グリーンシーズンの看板はこんな感じです。ハイシーズンはロープが雪で見えなくなってしまっています。

七色平~弥蛇ヶ池

七色平避難小屋の分岐で左(北側)に向かうとすぐの開けた場所がこちらです。天気がよいと森の開けた分、空が見えてとても景色がいいです。
このあとは座禅山に向けて急登が続きます。30~40°の斜度だとシールが滑ってしまうことが増えてとても大変になります。細い登山道であり周囲は木や谷地形になっていることで、迂回がしにくいです。クランポンがあるとまっすぐ登山道通りに登れるので、楽になるかと思います。私はクランポンをもっていなかったのでここでかなり苦労しながら登っています。ここだけで2時間ほどかけてしまいました。
弥蛇ヶ池と座禅山

ここが一番のオープンバーンです。ここまでのルートで他に開けた場所はないので、ここを堪能します。体力が許せば登り返して数回楽しむのもありだと思います。写真中央のルートは意外と斜度が少なく速度が出にくい日は右側座禅山の高さを生かしてドロップする方が楽しめるかもしれません。
座禅山の噴火口に落とすルートもありますが、上級者向きのルートとなっており私は行っていません。思った以上に木が生い茂っていることと、斜度が急で登れなくなる可能性も感じてやめておきました。

グリーンシーズンの上から見た弥蛇ヶ池です。右側が白根山、左側が座禅山です。
弥蛇ヶ池~七色平
苦労して登ってきた急登の下りです。これがまた大変です。ここまで生い茂ったツリーランは初めてでした。岩もところどころ出ているので、板が傷つく覚悟で降りる必要があります。さらにかなりコントロールができないと木にぶつかりそうでターンする余裕はないと思います。ズルズルと降りてくることは可能なので、スキルに自身がない人はあまり無理せずにゆっくり降りてくることをおすすめします。
血ノ池地獄~六地蔵、不動尊
七色平から血ノ池地獄、六地蔵と下る間は、かなり平坦です。スキーはまだ進みやすいですが、スノーボードには全ルートのなかで、もっとも地獄のルートです。バックカントリーではスノーボードでもストックをもっていきますので、一本出してストックで速度を補いつつ進むことをおすすめします。
不動尊のあたりは斜度があって再び開けた場所になります。ゲレンデでいうと中上級コースあたりでしょうか。雪質が維持されていて体力が残っていれば楽しめると思います。その先も元ゲレンデだったような場所を進みます。その間が日光白根バックカントリーでもっとも長いオープンバーンでした。概ねゲレンデですが、ここまでくると樹林帯を滑りすぎて開けているだけでテンションが上がるようになります。
日光白根バックカントリーのまとめ
おすすめポイント
- スタートが緩やかな道でシールでの移動が快適
- 登山道として整備されているので道迷いのリスクが少ない
- 景色がきれいで雪山登山として登りの楽しさがある
- ウインターシーズンはぐんまパウダー5が使えるのでロープウェイなのに1000円以下
デメリット
- 樹林帯が多く、道が狭い
- 気持ちよく滑れるエリアが遠い
- クランポンがない場合は途中の急登で時間がかかる
1000円でできる格安なゲレンデ直結のバックカントリーですが、樹林帯がとにかく多い点がなかなかつらいところでした。また急登があるので初心者向きではありませんね。熟練度が上がり、道具もそろっている状態なら素早く奥まで行ってロングランが楽しめるでしょうが、私にはまだ大変でした。体力をつけて五色沼周辺まで行きたいところです。
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